Vまではやった

有給休暇があと33.5日余っているので9月はいっさい出勤しなくてもいいと思うが、なかなかそういうわけにもいかない。というか、いっそのこと、10月、11月、12月と半分くらい休みながらダラダラ出勤すれば冬のボーナスをもらってから退職できるという話もあるがそこまで頭が回っていなかった。もらえるものをもらってからやめるべきだし、もらったものは運用すべきだし、節約すべきは節約して、ポイントカードなども活用して、悪いことでも裁かれないことなら目をつぶって、人が悲しんでも自分がうれしいならそこはよく考えて……みたいな生き方をすることで令和の人格になれるとしたら、私は昭和に生き続けたいと弱く願う。ファンデルワールス力くらいの弱さで願う。

職場から退職にかんする連絡が来た。「JAバッヂをご返却ください」。紛失しました。「組合の割引に使えるカードをご返却ください」。紛失しました。「保険証をご返却ください」。ワァーッ! これは持ってる! 俺エライー! エッグーイホームラン! ここまで1勝2敗。3連戦なら目を潜めるが最悪ではないので監督の辞任には追い込まれないレベルである。さすがに私はきちんとしているなあと思った。JAバッヂ、1回くらい付けておけばよかった。付けてFacebookに直立した写真を載せて学会の大会長と懇意にする政治家のマネとかをすればよかった。惜しいことをした。退職前にマイルドに勤め先の印象を落としていくのはよくないのでこれくらいにしておこうと思う。18年、その前のバイトを含めたら22年か、長く世話になった。ありがとうございました。

昨日の夜、そこそこの腹痛で目が覚めて、体はじっとりと汗ばんでいて、窓を開けると珍走団の屁の音が遠くにずっと響いていた。ブオーンブオンブオン。ブブブブーオンオンオン。腸が悪いんだろうな。ヨーグルトを食うといい。民間療法で一番いいのはヨーグルトだと思う。糖のあまり入っていないもののほうがいい気もするがそんなのは正直どうでもいい気もする。人間というのはある程度のバッファを備えていて、適切な生活というものにも幅がある。その幅のはしっこを渡るか真ん中を渡るかという話において、なんでもかんでもとにかく真ん中を歩きなさいというのが基本的な医学の作法であり、これに対して、医術の作法としては「多少はしっこを歩いてもかまわないよ、ニコ」とやって患者とのラポールを形成する。ラポール? であってたっけ? レポール? ラポルト? ググる。ラポールであっていた。フランス語で「橋をかける」という意味らしい。橋! さっき俺、橋のこと考えていたよ! このはしわたるべからず! 何ぃッ! それじゃワシでも倒れるワイ! なぜ一休さんからグラディウスIIIにスムースに移行したのか自分でもよくわからない。あわてないあわてない。一休み一休み。33.5休み。


スッとブログを書き終えそうになったけれど最近ここで書くものの文字数が少し減っている気がする。千々に乱れた断片という感じだ。どうでもいいけど今使っているGoogle変換、「ちぢにみだれる」が変換できない。古語ということだろうか。みんなもう今は乱れていないということだろうか。そうかもしれないな。安全装置がいっぱいあって、我々は今や、心も体もバラバラになりそうなときにもうっすらと、じゅんさいの保護粘液のようなものに体と心をくるまれているから飛び散らないのだ。そういえば桃鉄には昔「とびちりカード」というのがあったのだが、最近の桃鉄にはそういうカードはなくなっている。かわりにあるのが「うんちの壁カード」といって、糸魚川、松本、小淵沢、静岡にうんちを落とすことで日本の東西のルートをすべて遮断して通れなくなるというわけのわからないカードである。最初に見たときゲラゲラ笑った。そしてこの発想はどちらかというと「大戦略」とかのそれだよなという、あまり笑いきれない連想に落ち着いていった。分断は各個撃破につながる。私達はSNSをはじめとするたくさんの力によって次第に、国民とか市民といった括り方から独立して、千々に乱れた断片のようになっており、これはつまりいずれ各個に撃破される予兆なのだろうなということを、私などが今さら言わなくてもたくさんの光栄ゲームユーザーが口にしているだろうと思ったら彼らは相変わらず三國志の新作の話しかしていないのであった。三國志ってIIIくらいが一番おもしろかったよな。