フリーレンの15巻を読んだ感想であるが、16巻とまとめて読まないと懸念事項ばかりが積み上がってなにも解決していなくてしんどいなー、というのが正直なところだ。ショート動画より長いコンテンツを楽しく待てない人間になってきているのかもしれない。しかしそう考えると、横山光輝『三国志』を連載版で読んでいた人というのは、毎週、か毎月かは知らないが(今調べたら月刊誌三誌にまたがり、15年かけて連載されていた)、いったいどういう心持ちで、物語を追いかけていたのだろう。我慢強いというか、気が長いというか。まあ、でも、15年であれが終わるというのもある意味すごいことだ。よつばと! もまだ続いているわけで、ほかにも15年以上連載されているマンガなんて山程あって、三国志はむしろ短期連載(完結)という言い方もできる。笑う。ちなみにフリーレン、おもしろいよ。フリーレン自体が終わらないほど長い人生を暮らしているのだから、読者のほうがこれくらい待てなくてどうする、と、軽く自分を説教してみたりする。
自分を説教する機会が増えた。私はもうあまり怒られにくい立場にいて、それはメリットよりもデメリットのほうが大きい。もっとずっと、毎日自分を叱りつけるくらいでちょうどいいのではないかと思うこともある。市原ハラスメント・略して・イチハラ。自己肯定感を高めよという命令ばかりが蔓延してかぜをひきそうだ。自己の効力が及ぶか及ばないかの縁辺の部分を他者と協働して拡張していくことをやりたい。じわじわと包囲が狭まっていく展開、多数の登場人物が互いに目を光らせつつ緊満していくときの微弱な振動、その振動に同期してしまう鼓動、みたいなものを、おそらく私はやっていきたいのだと思う、それはまるで、フリーレンの15巻みたいなものだよ。