おしょうかつ

腰がピキとなってしまい横たわっている。モルックはよくなかった。バドミントンはもっとよくなかった。根本的に運動不足であり、なにもかもが撃鉄になり得た。身体は不自由で、不如意で、心は身体に牽引されているから、散歩の下手な犬の飼い主のように、引きずり回されて靴の踵を減らしている。酒を飲んでも90分くらいで眠くなってしまうかと思うとあまり酒に集中できない。飯を食っても25分くらいで眠くなってしまうかと思うとあまり飯に集中できない。 

仕事以外のなにもかもに対する持続力を失っており猛烈に老いを感じる。

強い風が吹いていて、上空を細切れになった雲が滑るように飛び散っていき、その更に上で腹を銀色に光らせた航空機が雲のハードルを越えていくかのように視界を横切っていた。泉質、ナトリウム・カルシウム‐塩化物、と書いてある。それってつまり塩と石灰ではないか。海水が地下水と混じればだいたいそのへんの物資は必ず入るだろう、つまり、この温泉には、温かい以外のとりわけてなにかがあるわけではない。硫黄もなければ炭酸もない、そんなただの湯に漬かって私は仕事をやめる直前に行ったキャンプのことを思い出していた。中学のときの同級生は、私をゴルフに誘いつつ、私が転職をすることを止めるでもなく応援するでもなく、なんとなく他人の距離感で感想を述べてくれていて、私はそれがまるで、温まった地下水に過ぎない温泉のように心地よく感じた。心地よい、とはなんとも不思議な言葉だ。心は地についてはじめて快となる、という説得力がにじみ出る。


猛烈な風がすべての雲を吹き飛ばしたあと、空は夕陽の受け皿を失って、赤くなれずに急速に黒の階調を高めつつあった。小括が終わればまた仕事。飲み干せば酔って眠くなる、それが悲しくて、思わず叩きつけたエールビールの小瓶にパキと日々がはいった。