またゲームにたとえちゃった

子たちが一人暮らしをはじめる春。私もいろいろ働き方を考えなければいけない。具体的には、「もう仕事以外何も考えなくていいんだな」というある種の解放に向かってまっさかさまに落ちていく自分が、どこかの岸壁に向かって必死にペグなりなんなりを伸ばそうとするかどうか、つまり内心のところは落ちたいのか落ちたくないのか、そこのところをきちんと観察すべきである。

正直、落ちたいと思っている。

でもそれはこういう場所でなにかを書くとき特有の「いきり」かもしれない。本当はもう少し人生をきちんとやりたいと、私の中の無口な部分がボディ・ラングエッジであれこれ身振り手振りしているかもしれない。そういう叫びに敏感でなければいけないなと思う。

でもまあもう仕事以外何も考えなくていいな。

仕事が手につかないほど疲労するのを防ぐために休憩を入れるわけだが、それを世間のタイミングに合わせる必要がない。ドラクエでレベル上げをする際、夜がきたら宿に泊まるなどと決めているユーザーはただの一人もいない。HPが低下してもすぐに魔法で回復できるので、基本的にはパーティー全員のMPがことごとく少なくなるまで宿には入らない。時間あたりに稼げる経験値効率を考えてもそうすべきだ。なんなら夜のほうが敵とエンカウントする率は高くなるので、夜が来たからといって宿屋に向かっていてはなんのためのレベル上げだかわからない。一方で、MPが減ったときにいのりのゆびわなどを用いるのは愚の骨頂で、そういう大事な回復アイテムはラストダンジョンのぎりぎり厳しい局面まで持っていくべきである。MPが足りなくなったら普通に宿屋に泊まったらいいし、レベルが上がりまくって雑魚敵にダメージをぜんぜん受けなくなったなら無限に宿に泊まらず戦い続ければ満足行くまでレベル上げはできるが、まあそれはそれでもうその場所でレベル上げすること自体が非効率なので、次のより経験値がもらえる場所に移動してそこでさらに手強い敵を相手にレベル上げに勤しめばいい。今やっているレベル上げが物足りなくなるまで3日にいっぺんの宿屋でがんばり、レベルが十分に上がったらまた「ほどよく3日にいっぺんの回復でなんとかなるくらいの地域」でまたレベル上げをするのだ。

ラスボスが瞬殺できるくらいのレベルまで上げても一向にかまわないがそれだとゲームはつまらなくなるだろう。しかしこちらはゲームを楽しみたいからゲームをしているのではなく、レベル上げをしていたいからレベル上げをしているので、そこは勘違いしないでほしいとは思う。やり込み要素の巨大地下ダンジョンの最深部にもし回復の泉があればそこでレベル上げをしたいという気持ちはある。では私は今どこにいるのか? うーん、たぶん、まだ、カザーブあたりでぐんたいガニに手を焼いている、くらいのものかもしれないな。


宿屋。私にとっての、宿屋。うまいものを食う? でも最近、酒をほとんどやめてしまったので、そういう欲望が少し減ってはきている。旅にでも出るか。脳だけが留守番をすることになりかねないが。