朝の研究会の真っ最中だがトイレに行きたい。あと20分で終わる。終わったらすぐ行こう。「ふえーん、おしっこしたいよ!」35年くらい前にファミコン「チャイルズクエスト」で見たセリフが頭をよぎる。思えばひどいゲームだった。笑っていいとも!の冒頭で歌って踊る無名の3人組「チャイルズ」を担当するマネージャーが主人公のRPGで、チャイルズの3名は戦闘ではべつになにもしてくれないので基本的には自分で殴ったり蹴ったりして敵を倒していかなければいけない。ただしチャイルズはワガママで、戦闘中に言うことを聞かなかったり、急にもよおしたりする(それが冒頭のセリフ)、そういうときにはアイテムの紙おむつをあてがってその場の対処をする。書いていてうんざりするほどひどいゲームなのだが当時はとにかくRPGというと我々子どもはドラクエだけでなくどんなものもひととおりやってみた。冒険をすすめていると、「くるす・はるこ」という名前の女性が登場し、「おり」さんという男性と結婚したいのだがもろもろの事情でそれが叶わないという。なんかいろいろクエストをクリアしていくとはるこさんは無事おりさんと結婚できることになる。「うれしいわ。私もこれで、おり・はるこになれるのね。おり・はるこ。おり・はるこ。そういえば私、オリハルコンを持っていたわ」みたいな話で重要アイテムのオリハルコンが手に入る。ひどい。それに輪をかけてひどいのが「ちくわのあな」で、これはストーリーを進めるためのパスワードなのだが、ヒントが「音程」しかないのだ。ポ・ピ・ピ・ピ・ピ・ペ! みたいな音が慣らされて、さあこの音にあった言葉を入れなさいと言われるのだけれど、こんなの「ちくわのあな」だろうが「あなごのたれ」だろうが「うたたねした」だろうがなんでもありではないか。攻略本を読まないと絶対にクリアできない。チャイルズクエストは何もかもがそういうできのゲームだった。冒険とは別に、アイドルのタマゴであるチャイルズが、デパートの屋上で営業をするという展開があり、マネージャーがバトルのための装備を整えていく裏でチャイルズにもマイクだとかドレスだとかを装備させて魅力を高めていく必要がある。魅力を高めると営業でお客がたくさん入るようになり、「おひねり」もいっぱいもらえて冒険が楽になる。これほど労働基準法を無視したゲームもすごい。ハラスメントまみれ。ラスボスは事務所の社長。ゲームの慣習は令和の今となっては悪名しか聞かないラサール石井。一から十まで記憶に残るゲームであり、しかし、まあ、正直、ここんとこずっと忘れていた(記憶に残っていない)のだけれど、自分がおしっこしたくなったタイミングで閃光のように思い出した。ひどい話である。今日はそれだけ。ほかにも甲竜伝説ヴィルガストとか摩訶摩訶とかへんなRPGはいっぱいあってな。