そんなことにGeminiを使ってもじぇ意味ないよね

デスクの引っ越しをした。半年前に今の職場にやってきて、しばらくの間は仮住まいということで、それでもだいぶ広いスペースにどっかりとお店をひろげていろいろやっていたのだけれど、春になり、異動があって、ついに私の「これからのすみか」が決まった。ちょっとまだ棚とか少なくて、いや、まあ、本棚とかはむしろいっぱいあるんだけど、手にとどくところにチョイとなにかをしまうような「小さな棚」が少ない。今後はそういうものをちょっとずつ増やしていけたらいいかなと思う。とりあえず検索。デスク 棚 引き出し付き 横 なんという商品名なのかわからないのでひとまずそうやって入れて画像検索して、それっぽいものを見つけた、なるほどこれはデスクワゴンというのか。あらためてデスクワゴンで検索して一番安いやつを買う、けれど、これは出荷元はAmazonだけど販売元がぜんぜん読めない初期IDみたいな名前だなあ。商品の画像をみると別に普通の日本語なのだけれど、

「引き出しがスムーズ」

と書かれている、伸ばし棒の、「ー」のところが、「漢字の一」になっていて(明朝体だから気付いた)、なるほどこれはAIで描いた画像なのだなあとわかり、となればおそらく国を越えてがんばっている人の販売する商品なのだろうなあと感じ、まあそれでもぜんぜんかまわないけれど1000円だけ高いもうちょっとちゃんとした業者のやつを買うことにする。タイムセールで10%オフだ。よかった。でもこのタイムっていつからいつまでなんだろうな。


こういった買い物は、早晩、AIによって一気に変わっていくんだろうな、みたいな話をたまに読む。さとなおさんの本にもそう書いてあった。今回の私の買い方だって、途中までのプロセスをぜんぶGeminiにまかせてもよかったのだ。「あれ、なんていうんだっけ、デスクの横にくっつけて使う、引き出しみたいな」と話しかけて、「あんまりあやしくない業者、口コミがそこそこよくて国内できちんと使用実績があるメーカーを3つくらい教えて」とかやれば、今の私の試行錯誤なんてぜんぶすっとばしてそこそこいいメーカーのそこそこいい商品を教えてくれるんじゃないかと思う。そして、この、AIに選ばれるかどうかというのが、これから企業が生き残っていくために必要なことなんだ、というのがさとなおさんの主張で、私はこの感覚はとてもよくわかる。いや! 俺は別に! 買い物なんてものはAIを通さないぞ! それがこだわりだ! という少数のこだわり派の人はしかし、よく吟味して、これぞという商品を狙いすまして買うだろう、そういう人は市場の動向には思ったより影響しないのだ。世の中の経済を動かすのはいつだって、衝動買い、いらないのに買ってしまうアレ、ちょっとその場の気まぐれでカゴに放り込んでしまったアイスバーのような、そういうあまり知性を発動させずに情でヒョイっと買うような仕草のすぐ横に、スマホの皮を被ったAIがいつもいるようになる、そうしたらやっぱり経済の仕組みも広報の仕組みもいろいろ変わっていくんだろうなあということをなんとなく思う。


今度のデスクは部屋の奥だ。奥まっている。ドアのところをコンコンと、みんなノックしてくれるのだけれど、開けたままのドアのところから私の居場所は覗き込めないようになっていて、つまりこれから、幾人もの人たちが、私がいない部屋の入り口でコンコンとドアをノックしてしまう現象が起こることになる。「在室札」みたいなものを買わなければいけないような気がする。「在室札 かわいい」で検索するがあまりこれといったものが出てこない。画像をちらちら眺めているとなぜかこれが表示された。「在室札 かわいい」で出てくるものとしてはおかしいだろうと思う。